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ぱる通信〈PAL BULLETIN〉

デブりん観察記 その(1)

 うちのかみさんはついに体重70キロに達した。半年前までは55キロ前後だったから、その発育の早さには驚くばかり。目に見えて太っていく過程を目のあたりに体験している。そういえば「間違いだらけの思い込み事典」という本にこんなことが書いてあった。
 力士の体づくりは、食べて寝ることが基本。稽古で体を鍛えながら、食っちゃ寝、食っちゃ寝の生活。これが太る秘訣であり、太ることは力士としての大成への道でもある。
 しかし食べる量が多いと胃拡張になるのではと思ったら、食べる量と胃拡張とは無関係らしい。力士たちが太るのは一日二食という食習慣と、食べてすぐ寝ることで栄養の吸収がよくなるせいである。
 胃拡張になるのは、一度に食べる量が多いこととは関係ない。たしかに食べたときに胃がふくらんでも消化してしまえば胃は元に戻る。
 それよりも、たとえ少しずつでも、絶えずなにかを食べている状態のほうが、胃拡張の原因になる。消化のために休む暇なく運動しなければならない胃は、肥大してしまうからだ。
 胃袋は内臓筋でできている。そういえば「筋肉は使えば使うほど発達する」という『ルーの法則』があった。消化に使いつづけられた胃袋は、筋肉が発達して大きくなるのかもしれない。
 しかし『ルーの法則』にはつづきがある。「ただし使い過ぎると故障する」というもの。いずれ胃が故障する前兆が胃拡張かもしれない。
 それはそうと、休みの日にかみさんを観察していると、いつも口をもぐもぐ動かしていた。動きがなくなったと思ったら、ゴロンと転がっていびきをかいていた。私はすかさず「コラッ、関取!!」と言って叩き起こす。……なぜこうなっちゃったんだろう。私が食事当番になってからか?
 私は夏バテ気味で、30年間維持してきた65キロをじりじりと下げ、60キロを割り込みそう。かみさんの80キロ乗せとどっちが先か、恐ろしい賭け。

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