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ぱる通信〈PAL BULLETIN〉

猫が顔を洗うと雨が降る?

 やっと豪雨から解放されホッとする間もなく、今年も厳しい猛暑が帰ってきました。皆様の地域は大丈夫でしたでしょうか。梅雨終わりの豪雨の災害も忘れていないのに、こんなにも暑いと、つい夕立ちが欲しくなったりしてしまいます。
 ところで「猫が顔を洗うと雨が降る」という言い伝えがありますが、本当でしょうか。「猫が耳の後ろ側までていねいに顔を洗うと間もなく雨が降り、耳の前までならどんなに曇りでも雨は降らない」と何やら自信たっぷりに教えてくれる人もいるほどです。何か根拠でもあるのでしょうか。今回のテーマです。
 猫毛の美人はこんなことをいいました。「雨降りの日や湿り気の多い日は髪の毛がボワーッと広がってまとまりがつかなくて大変なのよ〜」と、うらめしそうな顔を作ります。
 猫はもちろん猫毛なわけですから、湿り気の多い日はボワーッと毛が広がってまとまりがつかないことだろうと想像します。もともと猫は水や湿り気が嫌いだとも聞きますし…。
 それにしても耳の後ろとか前という表現はどういう意味なのでしょう。猫の手のアクションが大きいときはそれ相当の湿り気が多いということでしょうか、もしくは耳の後ろの毛が猫にとっても超猫毛でふわふわしていて最もまとまりのつかない面倒な箇所なのかもしれませんね。
 この謂れは、江戸時代、井伊直弼と招き猫の豪徳寺の話からきているようです。「彦根藩二代目藩主・井伊直孝が鷹狩りの帰りに門前を通りかかると手招きをする猫がいる。不審に思って寺に寄り、和尚の話を聞きながら渋茶などを飲んでいると、一天にわかにかき曇り大変な雷雨になった…」。直孝は難を逃れ、これも招き猫のおかげと、この寺を大事にし、井伊家の菩提寺としたのが豪徳寺の始まりだとか。
 豪徳寺の猫は「招福猫児」の名に値する招き猫であったと伝えられていますが、別段、特別な能力を備えた猫ではなかったのでは…。猫が雨の気配を感じてかボワーッと毛が広がったのを、手をなめなめしながら耳の後ろあたりをセットしている姿というのは、容易に想像がつきますよね。お時間があれば、お盆休みの夕方に猫を観察してみるのも一興かもしれません。
 余談ですが、猫が横になって、しかも足を組んでリラックスしながら手を振っている姿を目撃したことがあります。それは招き猫というより淫らな恰好の娼婦猫のようにも見えました。よーく観察すると、片手を伸ばした脇の下あたりをペロペロとなめ回してましたが、そのポーズがさも手を振っているようにも、おいでおいでしているようにも見えたのでした。
 まさか直孝公の見たという招き猫は、こんなんじゃなかったとは思いますが…。

(taki)

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