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ぱる通信〈PAL BULLETIN〉

マイノリティレポート(天の邪鬼通信)

 数の多ければ優位を占めるというのは、当たり前と言えば当たり前だが、それが正しいとは限らない。
 ほんの少し前までマイノリティだったものが、一転してマジョリティになってしまうことはママあることで、最近はその手のモノ(花粉症、嫌煙運動、捕鯨問題、核拡散防止、死刑制度廃止etc.)が気になって仕方がない。
 25年前に花粉症を発症したときには、「どうしちゃったのこの人!?」というような視線を浴びたものだ。
 しかし、今や街や電車にはゴーグル+マスクマンが溢れ、その強盗スタイルで銀行やコンビニに出入りしても「ああ、花粉症の人、最近増えたよね」くらいにしか思われなくなった。ひと昔前ならカウンター内の人間の指先は、緊張感とともにスルスルと通報ボタンに伸びたかもしれない。また、さらに苦しむ人々を救うために、お上主導で杉の木の伐採まで行われるようになったのだ(かつてはお上主導でせっせと植えたはず…)。
 しかし、花粉症患者の扱いの変遷は喫煙者排除の流れに似ている。ただ、その背景と人々の感情には大きな違いがある。
 花粉症に関しては、たいていの人の視線は穏やかなものである。最近では家族に一人くらいの割合で発症しているものだから、身近にその苦しさがわかり理解も進んだのだろう。
 まったく逆が喫煙者への視線だ。受動喫煙による健康被害が報告されてからは、その流れに加速がついた。この15年間で喫煙者の立場は一挙に転落し、「無神経な人」「意志の弱い人」等々の最低評価である。吸わない人の苦痛は理解できる。ただ現状のタバコ排除の流れは、いささか急進的すぎるようにも見え、中世ヨーロッパの魔女狩りを連想させる。喫煙者は納税者でもあり犯罪者ではない。アルコールの被害はタバコ禍を上回ると思うが、数の論理か追及の手はさほどでもない。政府&産業バックアップのマジョリティは強いのである。
 先進的マイノリティは叩かれるが、マジョリティになってしまえば説得力を持つ。それが正しかろうが間違っていようが…。捕鯨、核拡散、死刑制度廃止等にもマジョリティのごり押しパワーを感じてしまうが、それは私が単なるマイノリティ贔屓の天の邪鬼だからか…。

(Oohata)

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