Pal Publishing : publishing for businessBOOK SEARCH 詳細検索
BOOK SELECT新刊案内これから出る本好評ベスト30ジャンル別一覧

ぱる通信〈PAL BULLETIN〉

入学・入社おめでとうございます!

 4月はオーバーサイズの制服や着慣れないスーツ姿の新人たちが、電車内やプラットホームにあふれている。毎年、お馴染みの光景だが、4〜5月頃の若者が発する眩しいような圧倒されるようなオーラは新鮮で強烈だ。
ただ、こちらが弱っているときには少々圧迫感があってシンドイが…。
 私事で恐縮だが、離れて住んでいる息子から3年ぶりに便りが来た。春から高校に進学するので、今年16歳になる彼もフレッシュマンである。ずっと音信不通だったが、かなり長い手紙を書き綴って寄越した。手紙には過去3年間の中学校生活のこと、そして春から始まる高校生活のことなどが、踊るような字でしたためられていた。彼も思い切って手紙を書いてきてくれたのだろう。記憶の中で幼かった印象がずいぶん変わった。

 そんなこともあってか、この春は、過去と現在、そして先のことなどいろいろと考えてしまった。馬齢を重ねると、人には善きにつけ悪しきにつけ、経験則が積み重なる。仕事のスキル、人付き合いの妙、予測や危機回避能力など…。そして、これらはプラス面とマイナス面とのバランス取りが難しい。
 バランスが悪くなっていることを指摘されて気づく場合もあるし、自分自身で気づいていないフリをして、やり過ごそうとして、結局、自分に跳ね返ってきたり。人って「自分の見たい現実」しか、見ようとはしないものである。でも、やはりそれじゃマズイなあ…と最近つくづく思う。

 本のタイトルでもよく見かける「できるヒト…」にはそういうことへのヒントが書かれているから、大多数の「そうでないヒト」が、この手の書物に答えを求めるのだろう。

 昔、人物モノのインタビュー記事を担当していて、毎月一回カメラマンと共に取材対象者を訪れて話を聞いた。同行するのは毎回違うカメラマンで、学校出たての人もいれば、同世代人や、ずっと年上の先輩もいた。3年間で一緒に仕事をした人たちは30人くらいだったと思う。何も言わなくとも、捨てカットを多めに撮っておいてくれる人、最低限の指示したカットしか撮らない人、また自分の経験ではこうと、こちらの要望をまったく聞き入れない大先輩もいて、ホントさまざまだった。
 私も20代半ば過ぎの頃で、突っかかったり、ナメられたりしながら仕事をした。言うことを聞いてくれない先輩に無理強いして望むカットを撮ってもらい、結果が良く、「あぁ…なるほど」と言ってもらうと「してやったり」と思ったし、逆にカメラマンに押し切られて不承不承言うなりにやったら仕上がりがとても良くて、人の意見は聞くものだと思ったりした。
 毎回、違うカメラマンとの仕事はジャムセッションみたいで、折り合いがつかない時はツラかったが、ケンカしたり、意気投合したりを繰り返しながらの仕事は、いま思うと、えらく勉強になったと思う。

 本作りに関して、経験則を活用しつつ、新しさを織り交ぜていく作業は思ったよりも大変だ。
 まず、経験は不足していては困る。しかし豊富すぎて、それに縛られてもいけない。初心に立ち返る軽やかなフットワークも忘れてはならないだろう。
 ここのところ、そういったことすべてが中途半端だった気がするのだ。その部分の修正を今春のテーマにしようと思う。好きな本作りに携わっているのである。こっ恥ずかしいが、作り手も、売り手である書店の皆さんもハッピーな結果になる本作りを、ぜひにやりたい…と思っている。照れクサイが、これは本心である。
 巷にあふれる新入たちを眺め、そんなことを考えつつ、もうすぐ45回目のBirthdayを迎える私でした。

(大)

ぱる通信一覧

ページ最上部▲