やっと梅雨が明けて暑い夏がやってきたと思ったら、もうお盆休みですね。当方は今月末発行予定の本の編集作業を印刷所の盆休み前に終えてしまわねばと頑張っている最中です。
現在、最終段階にさしかかっているのは「ジャパネットたかた 思わず買ってしまう”しゃべり”の秘密」という四六判の本で、著者はTVやラジオでも活躍中の新進気鋭の流通ジャーナリスト、金子哲雄さんです。
金子氏は、仕事への取り組みがとても「熱い」ヒトです。土日も講演などで東へ西へと飛び回る新幹線ヘビーユーザーで、いつ休んでいるのだろうかと思わせるモーレツぶり。編集も佳境に入ってきたここ数日は毎夜22:00頃に自宅にラブコールが掛かってくる。主に編集内容について僕が赤字を入れたり整理したところに関してで、言葉は柔らかだが押しはきわめて強い。
一度などは電話で激しくやり合い(怒鳴り合うまで)、とにかく電話やメールでは、お互いの真意からずれていってしまうから、翌朝会いましょう、ということになった。
朝一で待ち合わせのファミレスに行くと、少し気まずそうな顔で開口一番、「すみません…ワガママ言いまして」、しかし続いて眼を爛々とさせて「でも…とにかく売れる本にしたいんです」、こちらも「イエイエ、こちらこそ…えとえと」なんて感じで打ち合わせが始まり、お互いの思うところを出し合って、案外すんなり問題は決着。
やはり直に顔を付き合わせて話すというのは大切なことだと思う。いくら丁寧にメールを書いたり、電話口で説得を試みても、伝わらないものは伝わらなくて、何が伝わらないのかと言えば、その瞬間の真剣な表情だったり、眼に表れる思いの強さだったり、本当にそう思っているのか、あるいは適当に言い抜けようとしているのかの見極めとか…。
本の編集過程で、ここは脱線してるとか、わかりにくいとかいう部分には、当然、著者の原稿に手を入れていくし、時には大ナタを振るうこともある。
しかし、ある部分に関して、著者と編集者の意見が割れた時、編集者側は「売れるであろう」ことを優先するし、著者は編集者に比べると「自分が書きたい」ことを前面に出してくる。著者の気持ちはできるだけ汲み取ってあげたいと思う。しかし、個人が記念的に作る自費出版ではないから、やはり本は売れてナンボであることが現実で、いい本を作ったから売れなくてもいいなんて甘え、自己満足は許されない。
今回は金子さんの一字一句にこだわる姿勢には、じつは辟易とした部分も多少はあったのだが、上記の点では基本的にお互いの思惑が一致していて、いいやりとりが出来て、こちらにも燃焼感がありました。
これは著者が自分の名を冠した書籍を世に出すということに対しての責任、プライド、こだわりを「真摯」に「熱く」直に僕に伝えてくれたからだと思う。
あとは、本が売れてくれるのを待つだけです。書店の皆さん、なかなか面白い本ですから、ぜひにたくさん売ってくださいませね。
(大)