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ぱる通信〈PAL BULLETIN〉

延々と続く3連休・長寿命の血筋

 「すぐに乾いて凍傷にならない」から山に行く時は木綿はだめで、化繊・ウールを着ろと先輩は言う。
「火事の時に化繊だとチリチリ融けて肌に食い込んで大火傷をする」から木綿を着ろと祖母は言う。
 ふつうに暮らしていれば、いずれも関係ない。でも、両方の長所を併せ持つものって、技術が進んだ今の世にも無いものなのだなと、ヒマにまかせてぼんやり考えていた。
 話は変わるが、9月は2回も月曜日が休みだった。続けて先週は「都民の日」なるものがあって、東京の公立小中高校生は週休3日だった。さらに今週(10月2週目)の月曜日も体育の日だったので、4週続けて週休3日の人もいたわけだ。会社の同僚の細君も子供が家でごろごろしていてちょっと不機嫌らしいと聞いた。
 それにしても、ちと休みが多すぎると感じるのは、自分が一人住まいで仕事さえ引ければ、後の時間は比較的自由に使える境遇にあるせいかもしれない。
 この休みはぼんやりしていた。それにしても休日にぼんやりしていても罪悪感を感じなくなったのは、いつの頃からだろうか。前は、たしか…こうではなかった。ヒマであることが世間様に対して申し訳ない?、格好悪い、と居心地の悪さを感じて強いて忙しくしてみたり、多趣味のようなふりをしていた気がする。
 人に「休みの日には何してますか?」なんて聞かれると、あたふたしながら、さもやることがたくさんある風を装ったり、「彼女はいるんですか?」なんて聞かれようものなら「『今は』いないけど。基本的に一人が好きなんで」なんてカマしていたかもしれない。
 然るに最近は、同様の質問にも「ん〜なんにも」とか「ああ ぼんやりしてるね」、「彼女いないしなあ」とまことに写実的である。
 先日も高校生にもなって、彼女の一人もできない哀れな息子に、自分はその歳には美人のガールフレンドがいたと自慢すると「今はいないんでしょ? 過去の栄光持ち出して虚しくない? それより自分の老後の心配しなよ。養育費でお金も貯まらないだろうし、孤独死だよ、そのままだと。俺は知らないからね」なんて切り返される始末である。
「連れ合いがいたって孤独な人は多いし、そんなに長生きするつもりないもん…」と言ってはみたものの、わが血筋は長寿で90歳過ぎても入れ歯もなしでピンピンしている人が多い。
 今までの倍の時間を生きて、やっとこさ90歳なので先は長い。今はまだスポーツなどに興じていられる身体状況にあるが、その昔、酷使した関節部分に深刻な摩耗が数カ所あり、どうもマズイと感じられるこの頃、現在のようにスポーツ興じられる時間は思ったよりも早く終焉を迎えるかもしれない。
 それでは焼き物でも始めてみるか、楽器のひとつも奏でられるようになってみようか、といろいろ考えるのではあるが、よし! やってみようかと思うには、今ひとつ思い入れが欠けていて自分の中での勢いがない。こういうものって、やはりヒマつぶしではなくて、やりたくてしようがなくて入っていくか、劇的な出会いがあるか、あるいは始めた頃はそうでもなくても、長く付き合っているうちに面白さに気づいて本当に好きになるかだろう。
 ピアノなどの楽器は典型かもしれない。最初は人がやっているのに憧れて、ヤマハの音楽教室なんかに通って楽器を買ってもらい、そのうち飽きたが、高い金を払って楽器を買った親に強制されて泣きながら練習させられるなんてケースは結構ありそうだ。
 少女時代にピアノをやっていた姉などはその典型だと思う。いったんはピアノを見るのも嫌だと言っていた姉も、大ブランクを経て、最近は「ピアノかじってて良かったわあ」などと言いながら楽しそうに弾いている。
 自分にとってそういうのってサッカー以外に何であろうかとぼんやり考え続けたが思い浮かばなかった。
 休みも今日でお終いなので、続きは来週にでも考えようと思う。

(大)

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